パイのこと|about pie
パイの魅力はボリューム感とサクサク感です。
美味しいパイを作るには
「生地層」と「油脂層」の重なり具合が大切。
薄い生地層と油脂層を規則正しく折り重ねることで、
油脂層と生地層がくっつかず、
焼成中に生地から発生する
水蒸気や炭酸ガスが層を押し上げて大きく膨れます。
\\ パイ生地の種類とポイント //
パイ生地は層の作り方の違いで主に折りパイと練りパイ、そして私たちが得意とする逆折りパイの3種類があります。
(フィユタージュ)
生地を折り込む前に冷やしておき、圧延機で延ばした後、油脂を生地に包み込んで引き延ばしと折りたたみを繰り返します。油脂層を幾重にも重ねた後に再度生地を冷却して休ませ、適当な形状に成形して焼成します。
(パート・シュクレ/パート・ブリゼ)
小さくカットした油脂を小麦粉に混ぜ込んでゆっくりミキシングします。次に再度生地を冷やして休ませ、成形して焼成します。砂糖などを加えた生地を「パート・シュクレ」、砂糖なしの生地を「パート・ブリゼ」と言います。
(フィユタージュ・アンヴェルセ)
通常の折りパイとは逆に油脂で生地を包んで折り重ねていく手法です。高い技術と手間を要す一方、焼き上がりの表情の美しさとザクとした歯ざわり、ホロホロした口どけが楽しめるワンランク上の生地となります。
\ 低温キープが命 /
パイ生地を作るには、生地の温度を低温に保つことが重要です。
油脂を折り込んだ後に十分冷やさないと油脂と生地の物性バランスが悪くなり、
積層状態が崩れてしまいます。そのためにできるだけ低温を保つよう休ませることが
ポイントとなります。
また、油脂の折り込みもできるだけ生地を低温に保ち、短時間で作業することが大切です。
\ 原材料 /
一般な配合は、小麦粉・食塩・油脂ですが、卵などを加えることもあります。
油脂は主にバターが使われますが、マーガリンを使用することもあります。
小麦粉は、強力粉と薄力粉を合わせます。
割合は、強力粉が80~50%、薄力粉が20~50%くらいが一番バランスの良い配合率です。
薄力粉の割合を増やすと、口当たりはよくなりますが浮きは悪くなります。
洋菓子店の折パイ生地は、小麦粉100%に対して油脂分を80~100%にしていることもあります。
\ 取り扱いには細心の配慮を /
作ったときに問題の無い生地でも、冷蔵保管中に黒褐色の斑点が生地表面に出る場合があります。
生地を解凍後、冷蔵保存した場合や、生地を長時間冷蔵保存した場合などによく見られます。
これは小麦胚乳のカロチノイド系色素(小麦粉本来の淡いクリーム色色素)の酸化が考えられ
非酵素的酸化及びオキシターゼなどによる酵素的酸化が複雑に組み合わされて進行していきます。
この変化は湿度の影響が大きいので、生地を冷凍した後、冷蔵保存する場合に注意が必要で
解凍後は速やかに使い切ることが適切です。
\\ パイ生地の豆知識//
\ 歴史と名前の由来 /
パイは古代ギリシャ・ローマ時代に生まれ、素材の持ち味を逃がさないように
小麦粉と油脂を合わせた生地に包んで焼いたのが最初と言われています。
その後14世紀のフランスでフィユタージュ(パイ生地)が登場し、肉や魚・野菜・果物などを包んで
オーブンで焼いたパイ料理「パテ」が作られるようになりました。
17世紀にパイ生地を使った菓子を焼いたフランスの職人フィユが名前の由来であるとか
何でもかんでも集めてくるカササギ(Pie)と何でも包んでしまうパイが似ているからという説も。
\ アレンジいろいろ/
イギリスではパイの歴史が古く、肉・魚・野菜を包んだパイ、アップルパイのようにフルーツや
クリームをパイにのせて焼いたパイ、器にパイ生地をかぶせて焼いたポットパイなどがあります。
当初はフィリング(中身)を入れる器として用いられ、料理ができた時に捨てられたそうですが
これは当時オーブン用の型や皿がなかったので、パイがその役割をしていたというわけです。
フランスでアップルパイと言えばタタン姉妹の失敗が生んだ「タルト・タタン」が有名です。
ある日焼き上がりにオーブンから出そうとした時にひっくり返してしまいましたが
結果的に天板でこんがり焼けた表面がキャラメリゼされ、なんとも言えないおいしさだったのが
始まりとされています。(諸説あります)